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11月15日 「民話を訪ねてウォーキング・下見」その3 
〜風の三郎社コース〜
この地域では雨乞いを八ケ岳権現に、晴天を日吉神社に、暴風雨よけを風の三郎社にそれぞれ部落の代表が毎日当番として代参していたといいます。それを三社まいりといいます。またこの地域では防風林のことを「風きり」と呼び習わしていますがこれは八ケ岳から吹き降ろしてくる季節風(八ケ岳おろし)を防ぐ先人の知恵でした。昔は風きりの松1本切っただけで打ち首というくらい、きびしく守られていたそうです。今でも立派な赤松の防風林が残されています。この地域から見える八ケ岳は右に赤岳、左に権現岳と一段と厳しい山容です。特に左に聳える権現岳は昔「風の三郎岳」と呼ばれて、ここから吹降ろす風がものすごかったそうです。そこで「風の三郎社」を祭ったのでしょうね。鎌を板にうちつけてそれを風の吹いてくる方向に立て掛けておくという、こわいような風除けのおまじないもあったといいます。

賢治の「風の又三郎」には『風野又三郎」という異稿があり、冒頭「ぼくが八ケ岳の見える縁側に座っているとね・・」とあります。きっと賢治はこの地の風にまつわる様々な風習や言い伝えを聞いてそれをヒントに『風の又三郎」を書き上げたのだと思われます。

賢治終生の親友保坂嘉内は風の三郎社のある高根町の隣町「韮崎」に住んでいました。
きっと彼の家に遊びに来ては縁側にすわり八ケ岳を眺めながら様々な話しを聞いたのでしょう。

・・と、ペアハットさんに教えてもらいました。
今日も歩く前のお勉強です。
身振り手振りを入れて説明に熱が入ります。
聴く側も真剣です。
さぁ〜風きりの里、三社まいりに出発です。
車はこちらのお店に(北甲斐亭)置かせていただきます。(お昼はココに帰ってきてからお店のものを食べます。)
里山歩きは地元の方とも仲良くします。今回はその地元に詳しい、丘の公園の大柴さんに案内をお願いしました。この方の後ろにメンバーが続きます。
一人でいったら絶対迷う!そんな感じの道でした。藪の中を前の人について歩いていきます。ザック、ザック、サワサワ、ちょっと急な上りです。(11/24言葉の学校課外授業・本番の時には地元の方たちが草刈りをしてくださるそうです。)
もう少し上に最初の社があるそうですよ。よいしょ!よいしょ!ハァ〜、ハァ〜、がさがさ、、、黙々歩く。
到着しました。こんもりした小山にありましたよ。
ご神木なんでしょうね、大きな松に守られた形でちょこんと奉られています。(後ろは樹齢何百年?という赤松です。)この上には松はありません。これが親松だと言うことです。。この社の下には松があります。メンバーの一人がのぞき込んで「ふ〜〜ん、これなのか〜」「どれどれ中はどうなっているんだろう?」ぐるっと一回り。正面に菊のご紋みたいな印?昔の皆さんは此処で手を合わせお願いをしていたんですね。
次に向かって農道を歩きます。
まだお日様もあって三社まいり日和ですね。鼻歌でもでてきそうな田園風景の中、足も軽やかに進みます。今はアスファルトになってしまいましたが、以前は凸凹道?だったのでしょう。想像して下さい。自分が本人になったつもりで、牛車とか馬車で収穫したお米などを運んでいたんでしょうね。ガラガラ引く牛車の上には子供が一人乗っている。! 
はぁ〜シャンシャン!
都会では味わえない落ち葉の道を歩いていきます。
落ち葉のじゅうたん素敵でしょう。色とりどりの落ち葉に思わずシャッターを切ってしまいました。
カサコソ、カサコソ、カサコソ、カサコソ、・・。
アスファルトの道から水路沿いに曲がってここから次の社に行くところです。大きな声では言えませんが、(小さい声では聞こえない!)私ココで蛇さんに出くわし思わず「ワッ、ワッ、ワッ、」の輪が三つ!みつわ〜石鹸。何を言ってるんでしょう私ったら、「いきなり、ぎゃ〜」にはなりませんでしたが驚いたのなんの。どうも蛇には申し訳ないのですが好きになれません。(苦笑)蛇好きの方がいましたらご免なさい。
日吉神社には社が二つ奉られておりました。
これはその一つです。下草もきちんと刈られてきれいにしてありました。大事にされているんですね。
う一つの社です。
晴天の神様です。お日様がでてくれないと作物が育ちません。何が欠けても困りますが太陽が無い世界が来たら怖いですよ。社の直ぐ側には必ずご神木があります。子供をかばう親みたいだなぁ〜なんて感じました。
鳥居は少し新しいですね。
地元の方が古くなったので新しくしたのかも?雰囲気のある場所です。
日吉神社を後にして、又水路沿いを歩いていきます。今回は仲間と一緒なので寂しくありません。一人では怖いから次回来るときも誰かと一緒に来ます。此処に来るとき誰にも途中会いませんでしたから。
信仰心は今の方たちより昔の人たちの方があったのかも知れません。(エッそんなこと無いって!失礼しました。)
ココのお社は建物の中にもうひとつ入っているんですよ。
これがその中の写真です。
「私は神のお使いなるぞ!」
「お供え物をくれないとここから返さない〜。」
「特にお酒は大好きなので、供えてくれたら幸せなり〜」
「つまみは煮貝が所望である〜」
「可愛いお酌のお姉さんもお願い〜」
なんて言ったかどうかは分かりませんが?
この方誰だか判りますよね。遊び心をもった○ア○○トさんでした。
楽しいひとときを過ごして最後の場所に向かいます。
ちょっと階段がきついですよ。
コース中には木が倒れていたり下草に足を取られたり、道とは思えないコースでしたが、それなりに私は楽しめました。
「よっこらしょっ!頭をぶつけないように、一人一人順番に越えていきます。」ココは太めの方には無理?私は通れたからまだ大丈夫です。(笑)
貴方はどうですか?
「おととと・・・」足が引っかかってしまいました。
思わず苦笑い。「足が長いもんで〜」
今まで何回探しても見つからなかった三郎社の入り口です。
「本当にこんな所にあるの?」と思いたくなる入り口でしょう。
みんなに続いて入ります。
ハーイ、これが三郎社です。どっちでしょう?左は此処の部落にあったお社です。右側のお社が三郎社です。
何回か理由があって移動、地元の方でも関係者以外知られていないとか。(以前は山の方にあったらしいのですが道路拡張で此処の場所に移されたとのこと。)
後から移されたので石積みが隣と違っています。
これからは此処の皆さんがしっかり守って下さることでしょう。
これで、風きりの里の三社まいりは終わりです。
皆さんどんな感想を持たれましたか?
昔は今より不便で土地は痩せ、寒さも半端ではなかったと、ご近所のお年寄りから聴いたことがあります。先人のご苦労があって今、私達があるのかも知れません。感謝しながらこれからも里歩きを楽しむつもりです。
皆さんに写真と文字でそれをお伝え出来ればいいのですが?
こちらは地元の元校長先生で、風の三郎社について色々教えて下さったお宅です。今回この下見を無事終え、感謝のつもりでお声を掛けました。「こんにちわ〜先生いますか〜?」お食事中でした。そうです。もうお昼なんですよ。私達も戻ってお昼を食べましょう。
お庭には、きれいに剥かれて干し柿がありました。
昔は今のようにお菓子がなかったので大切な食料です。その昔、今頃の時期になるとあちこちの軒先に干してありました。それをおやつ代わりにみんなで食べたんですよ。一家団欒のひとときを茶の間でね!テレビだって今のように1軒に1台(1人1台)ではなく余裕のある家しか買えなかった時代です。信じられないですか?(私が子供の頃のお話です。)今の幸せに感謝です。
なんと、校長先生のお宅を出た頃から雨が降り出しました。誰か雨女、雨男がいたのでしょうか?どんどん本降りなってきました。用意のいい(本当は雨女?)梟マムさんは傘をさして歩き出しました。私はいつもなら必ずリュックの中に傘が入っているはずなのに今日に限って入れ忘れたのです。「あっっ しまった!」仕方がないので北甲斐亭までそのまま歩きました。マムさんの歩く姿なんだか楽しそうでしょう。なんか歌っているみたい。「雨の歌が聞こえてきそうですね。」私といえば「雨に濡れながら〜里山歩く人〜〜」
ビショビショに濡れてしまった私達は、車を置かせていただいた北甲斐亭にてお蕎麦を食べました。
私は温かい天ぷらソバにしました。我らがリーダーは熱燗を楽しんでおりましたよ!いいのかなぁ〜 ○○気を付けてお帰り下さいね。。
今回の報告はこれにて終わりです。

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